2021年01月02日

私が住んでいた所にあったバーのはなし

OIPもう20年ほど昔のこと
飲み会の後に、友人に誘われて行ったのが初めてだった
そのバーは、飲み屋街から少し離れたところの雑居ビルの二階にあった
何回くらいその店に行ったのか記憶にないが、私以外に客がいたのを見たのは二回だけ

私はいつもその店のカウンターに座って、国産の安いウイスキーを飲んでいた
店に行くのは決まって一人
カウンターに座って、訛りのきつい元漁協職員のマスターと話すのが好きだった
私の背中側には、結構な広い客席があるのだがいつも客がいないので、照明が落とされていた
一度だけその客席の照明がついていて、お客さんが二人で飲んでいたのを見たことがある

冬なんか、客のいない照明の落ちた客席から冷気がカウンター席の私まで押し寄せてくることがあった
冷気は足元から立ち上ってきて、結構寒かった
酒が旨いとか、料理が旨いと感じたことはただの一度もないが、どういうわけかこの店が好きだった

一度、私の職場にマスターから電話があった(携帯に)
いつも以上に訛りがきつく聞き取り難かったが、なんでも新鮮なイカが手に入ったので取りに来なよという話だった

早速刺身で食べたが、美味しかったなぁ バーのイカ
商売っ気の感じられなかったこの店
とうの昔に鬼籍に入られている




(04:30)

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