酒のはなし
2021年02月06日

彼は、入社確か二年目か三年目で結婚した
私は彼の地元ではなく、会社関係者の披露宴という名の宴席に呼ばれた
ちなみに彼も九州出身 彼の生まれは南九州
彼の所属していた職場の人は酒豪が多く、結構披露宴という名の宴では、早々にコメジュースが飛び交っていた
私の同期も酒に強いが、それは焼酎についてのはなし
日本酒にはそれほど強くないと言うか、端的に言って弱い
日本酒の飛び交う披露宴一次会の途中で私はトイレで新郎に会ったが、目つきと呂律が既に怪しかった
披露宴の二次会は、新郎職場がよく利用していた店だったが、そこに新郎の姿はなかった
店の中にはいたのだが、それは別室
土曜日昼間なのをいいことに、お客さんのいない別室で新郎は一人横たわっていた
二次会の席では、あまり飲んでいない新婦が「すいまっしぇ~ん ウチの旦那が」と言いながらミツバチのように、酒を注ぎ回っていた
新婦も九州の人
新郎とは翌週の確か火曜日に職場で会ったんだが「いやぁ 三日酔いやった 週末は寝とったわ」と言っていた
確か新婚旅行は九州に帰省したんじゃなかったかな
(04:30)
2021年01月02日
私が住んでいた所にあったバーのはなし
もう20年ほど昔のこと
飲み会の後に、友人に誘われて行ったのが初めてだった
そのバーは、飲み屋街から少し離れたところの雑居ビルの二階にあった
何回くらいその店に行ったのか記憶にないが、私以外に客がいたのを見たのは二回だけ
私はいつもその店のカウンターに座って、国産の安いウイスキーを飲んでいた
店に行くのは決まって一人
カウンターに座って、訛りのきつい元漁協職員のマスターと話すのが好きだった
私の背中側には、結構な広い客席があるのだがいつも客がいないので、照明が落とされていた
一度だけその客席の照明がついていて、お客さんが二人で飲んでいたのを見たことがある
冬なんか、客のいない照明の落ちた客席から冷気がカウンター席の私まで押し寄せてくることがあった
冷気は足元から立ち上ってきて、結構寒かった
酒が旨いとか、料理が旨いと感じたことはただの一度もないが、どういうわけかこの店が好きだった
一度、私の職場にマスターから電話があった(携帯に)
いつも以上に訛りがきつく聞き取り難かったが、なんでも新鮮なイカが手に入ったので取りに来なよという話だった
早速刺身で食べたが、美味しかったなぁ バーのイカ
商売っ気の感じられなかったこの店
とうの昔に鬼籍に入られている

飲み会の後に、友人に誘われて行ったのが初めてだった
そのバーは、飲み屋街から少し離れたところの雑居ビルの二階にあった
何回くらいその店に行ったのか記憶にないが、私以外に客がいたのを見たのは二回だけ
私はいつもその店のカウンターに座って、国産の安いウイスキーを飲んでいた
店に行くのは決まって一人
カウンターに座って、訛りのきつい元漁協職員のマスターと話すのが好きだった
私の背中側には、結構な広い客席があるのだがいつも客がいないので、照明が落とされていた
一度だけその客席の照明がついていて、お客さんが二人で飲んでいたのを見たことがある
冬なんか、客のいない照明の落ちた客席から冷気がカウンター席の私まで押し寄せてくることがあった
冷気は足元から立ち上ってきて、結構寒かった
酒が旨いとか、料理が旨いと感じたことはただの一度もないが、どういうわけかこの店が好きだった
一度、私の職場にマスターから電話があった(携帯に)
いつも以上に訛りがきつく聞き取り難かったが、なんでも新鮮なイカが手に入ったので取りに来なよという話だった
早速刺身で食べたが、美味しかったなぁ バーのイカ
商売っ気の感じられなかったこの店
とうの昔に鬼籍に入られている
(04:30)
2020年12月18日

私の隣席にいた男性のはなし
隣席ではあったが、所属していたグループは私とは別だった
この男性は私より入社年度は少し上
私は一緒に飲みに行ったことはないが、人付き合いのいい御仁であった
典型的な5時から男と言うべきか
私が出社して席に着いてしばらくすると、大体隣席のこの御仁は誰かに謝罪の電話をかける
ほとんど毎日のこと
電話の内容から判断するに(この御仁声が大きい)、どうも前夜に飲みに出かけて、結構早い時期に記憶をなくしたので、何か粗相をして相手に迷惑をかけた可能性が高いため先立って電話で謝っているようだ
この御仁、酒は強くはないが酒で酩酊していく感覚が好きらしい
いよっ 太鼓持ちと声をかけたくなる
別の日に御仁と話をしていたら「いやぁ 昨日も飲んだんだけどさぁ 自宅に帰ったら身に覚えのない中身入りのワインボトルを持っていたんだよねぇ 俺」とのことだった
願わくばそのワインが支払い済みであり、盗品ではありませんように
この御仁と言うか謝罪マン
一時期(私は知らないが)、口ヒゲを蓄えていたらしい
あまり周囲に口ヒゲを生やした人がいない中、ヒゲの御仁はかなり貫禄がついて見えたようで、御仁は「シャチョー」と言うあだ名で呼ばれていたらしい
私の隣席にいた頃から10年以上経って、社内の別の場所でこの謝罪マンと偶然に遭遇した
反射的に「あれ シャチョーお久しぶりです お元気ですか?」
と声を掛けたら、謝罪マンには「〇〇ちゃん(私の苗字)、シャチョーは止めてよ シャチョーは」と窘められた
すでにカイチョ―職にまで上り詰められていたのかも
今も毎朝電話で謝る日々をお過ごしなんだろうか
(04:30)